昨日放送されたフジテレビの「たけしの日本教育白書」をチラチラ見た。去年もおととしも見たのかなあ。見たような。
ちらちら見たなりの感想としては、今年もまたずいぶん問題を散らばせるだけだなあ、オッサンが昔を振り返っていい気分になるだけの番組だなあ、無難だなあ、というところ。女子アナが太田やたけしの暴走をあわてて止めるその姿に、何か根本的な問題が見え隠れするような気もしたけど。
それでもたまたまこの番組を見て「大人が変わらなきゃ!!こどものために!!」と熱意がムクムクと沸いてくるお母様お父様は多いのでございましょう、と思った。そしてこの番組を特別見なかった人たちとの温度差が出来るのだろうなあ、と。
熱くなるのはいいけれど、熱くなったままでは他の冷めてる人がただ堕落してるように見えるだけ。だから熱くなった人は、それを熱意に変換しつつも、火照った頭は冷やさねばならない。
問題を提起して熱くなる・熱くしてくれるための本やニュースはいくらでもあふれてる。だけど冷めるための情報は、かきわけかきわけ探さないと出てこない。
という訳で、ひきこもりの僕から、僭越ながらそんな人のためのブックガイドです。
……と、その前に
トロッコ問題。
この問題、問題そのものに色々とケチつけたくなるのだけど、ここまで縛りがある以上、ごくごくシンプルに考えるべきなのかな、と”理性的”には思う。
そうすると、<残念ながら>僕はポイントを切り替えてしまう気がする。
そう、これはたぶん<残念ながら>の感覚で語るしかない問題なのだ。そして<残念ながら>の先にあるものは、人それぞれの価値観が響いてくるのだろう。生きていく上でたびたび出くわさなければならない<残念ながら>。その後に続く文章はその時々、君にとって何かね、というのを考えて生きるべし、という問題。・・・本当かね。
もう一つ、その瞬間理性が働けばの話として、後の集団心理を期待して5人の方を助けておけば、みんなで「これは事故ということにしておこう」という風に口裏を合わせられるんじゃないかしら。1人が「あれは事故だったんだよ」と言ってくれるより5人が言ってくれる方が心強い……という打算案も追加しておく。
しかし視聴者に問うよりも、この問題を各国100人ずつぐらいアンケートしてきて、その結果みたいの出してくれりゃよかったのに。こういうところが僕の感じるこの番組の散らばり具合なのだ。「あなたは、どう考えますか……?」で終わらせるところが。ある程度の答えを知りつつ、それと自分とのギャップを考えていかなければ、考えなんて煮詰まっていかない。
閑話休題。ぶっくがいど。
学校裏サイトは、ネット業界では「素人が勝手に作る非公式サイト」ということで「学校勝手サイト」と呼ばれている。それら学校勝手サイトが報道ではいじめや犯罪の温床のように強調されるが、実際にはほとんどが牧歌的な雰囲気に満たされており、全然見向きもしない子もいる、ということを検証し、冷静に分析と考察を取った本。ネットはよくわからないの、というママパパには
12歳からのインターネットとあわせておすすめ。
パオロ・マッツァリーノのこれは現在読みかけで、あとは「コドモダマシ」しか読んでいないのだけど、パオロ・マッツァリーノは報道される社会分析とか調査報告みたいなものに「ちょっとまてーい!」とつっこみをいれ、実際はこうだよ、昔だってこうだったよね、というのを小気味いい毒舌調で展開する人。若者は車を買わないとか少年犯罪は増加しているとか、最近の子は現実とゲームの区別がつかないとかそういうのを本気で信じ込んでる人向き。昔は素朴でよかったと思ってるオジサマはその幻影を壊されることを覚悟で。
(※後日追記。最後の章の「コント『あなたにもビジネス書が書ける』は秀逸。ビジネス書、自己啓発書を書く人の実態と人間性、ビジネス書がいかにオカシイことを言ってるかが見えてくるような内容。とは言え僕自身はあのラストにおいて、それでも書き続けようとする情熱は否定されるべきものではない、と読み取った。)
この辺も上記したパオロ・マッツァリーノ同様な感じでおすすめ。特に「社会調査」のウソはテレビや新聞で報道される社会調査はどれもこれもゴミクズと強く切り捨てている。上記の本だったか忘れたけど、給食費納付率って全国平均98%らしいです。
これは、「社会的ひきこもり」がテーマの小説。主人公の青年、父親、母親、妹の、それが起こったその時のその場面・状況が、それぞれの視点からの語りが書かれていて、読みやすい。ひきこもりは学校問題の延長上のことなので、ひきこもりを考えることもまた学校や教育を考えるのにつながる……はず。
絵本作家、五味太郎のエッセイ。「大人問題」とは、子供に問題があるんじゃなくて、大人に問題があるんです、という意味。
哲学者、中島義道の成育史。簡単にいっちまえば、前半は感受性が繊細で敏感な子供の苦労話であるので、表立っては問題がないように見える子供も、その中身はこんなことになっている場合もある、ということの理解のために。後半以降、好き嫌いが別れる本のようだ。
「家族っていいよね」というような紋切り型の内容ではなく、「家族って言っても結局はさあ」というような内容。数ヶ月前に読んだので内容は覚えていないのだけど、わりあいおすすめできる内容だった気がする。そもそも斎藤環はひきこもりの専門、だけど先述したようにひきこもり問題はやはり不登校等から連続する問題であるため、それを考えるのは決して無意義ではないと思う。なお斎藤の著書でひきこもり関連書を読むなら、「社会的ひきこもり」を選ぶよりは「ひきこもり救出マニュアル」の方がよいと思う。
ついでにもうひとつだけ。子供に問題が起きたとき、宗教やスピリチュアルにはまりそうになったときのために。何か占いや予言があたったかのように見えても、すべては後だしジャンケンであるということを知るために。コールド・リーディングのための実用書のように見えるけど、実際にはこの本だけでは無理だと思うので、そこの点では期待しないほうがいい。この石井裕之自体、潜在意識系の人でもある。
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